女の子から喜ばれる意外な一言とはどういうもの?
知り合いの隆太は、女の子からモテる。どちらかというとクールな性格の隆太は、クールだからこそモテるという典型だ。「あ、そう」「ん、で?」「いや、別に」「あぁ、あんがと」彼が使う言葉を言ったらこんなものだ。だいたい二単語で済んでしまう。あまり自分から活発に話しかけるってことはしないな。俺とは野球という共通の趣味があるからそれなりに話す。しかし、内気な性格というんだろうか。人見知りというんだろうか。隆太はそういう奴だった。普通だったら、そんなつまらない男を女は相手にもしないだろう。「なんかムスっとしてるしさ、話はつまないしさ。そもそも野球のルールなんて知らないし」そんな陰口を言われたって仕方のない奴だ。しかし、女は隆太の陰口は言わない。むしろ「隆太くんって何て言うか、かっこいいよね」なんて言っている始末。俺はそのあたりが理解できなかったのだ。確かに隆太は酒が入ると、少しおしゃべりにはなる。しかし、それでモテるとは言いがたい。そんなとき、俺は隆太の謎を偶然解いてしまったのだ。そのとき、俺は後輩と居酒屋で飲んでいた。その居酒屋は簡単な個室仕様というんだろうか。薄っぺらい敷居で仕切られていて客と客に一定の距離を与えてくれる場所だった。その俺と後輩の個室の横に、なんと隆太が女を連れて入ってきたのだった。「お」俺は隆太に気づいたが、隆太は俺のことに気づかなかった。「まぁ、挨拶は後にしておいて、どんな口説きテクニックを見せてくれるかじっくり聞かせてもらおうじゃないか」俺はこんな気持ちだった。終始、隆太は普段と変わらないテンションだった。「あ、そう」「え、へー」「え、それ?」全く相づちの下手な奴だ。しかし、女の子は機嫌を損ねてはいない。上機嫌におしゃべりが続いているのだ。いったい、どういうことなんだ。俺の謎は深まるばかりだった。そのときだった。「おまえって結構かわいいところあるな」隆太のさりげない一言。女性のテンションが一気に上がる。俺は納得した。平坦に進んでいって、ナイスタイミングで決め台詞を使うのだ。隆太、そのテクニックはいただいたぜ。